【旅した日:2014年9月27日】
エジプトからスーダンへ入国する方法は、世界一過酷な船旅と言われる週一便のフェリーが一般的。
一般的と言っても、陸続きのはずのエジプトとスーダンを結ぶ交通手段がそのフェリーしかなかったからそれを選ぶしかなかっただけ。
そして、何が過酷かと言うと、そのフェリーには、定員の倍以上の人が乗せられ、更にはスーダンに帰るスーダン人があり得ないくらい大量の物資を載せるため、船内は超過密状態らしい。そのため、19時発のフェリーなのに、朝10時の開門と同時に場所取りに行かなければいけない上に、スーダン側の国境ワディハルファに着くのは、翌日昼過ぎ。
しかし!
つい2ヶ月程前に、エジプトのアスワンからスーダンの国境ワディハルファ、更には首都のハルツームまで直通で行ける国際バスが開通!
(正確には、首都のハルツームに行くにはワディハルファで1泊する必要がある。)
しかも、金曜日以外の週5便なので日程も合わせやすくなった。
世界一過酷な船旅にも興味が無いわけでは無かったけど、スーダンまでのルートが合う仲間が見つからず、1人でのフェリーの場所取りはしんどそうだったし、時間に余裕があるわけではなかったので、今回はこの国際バスを利用することにした。
バスの出発時間は朝5時。でも、集合時間は4時とのことだったので、3時半起床。
パッキングは前日のうちにしていたので、10分で支度をして、ロビーに降りた。
すると、ロビーでお喋りをしていたスタッフを含めた数人のおっちゃん達が、僕を見て何故かぽかーんとしている。
なんでだろう?
で、スタッフのおっちゃんが話し掛けてきた。
おっちゃん「どこ行くんだ?」
僕「スーダンだよ。」
おっちゃん「スーダンのバスは5時だぞ。」
僕「知ってるよ。でも4時に来いって言われたんだよ。」
おっちゃん「あー、知ってるよ。でもまだ3時前だぞ。」
僕「???」
よくよく話を聞くと、前日でエジプトのサマータイムが終わっていて、時計が1時間戻っていたらしい。
まだ寝れたじゃん!!
てか、逆だったら大変なことになってたわ!!
そんなわけで、早起きし過ぎてしまったため、ロビーで時間を潰していると3時半くらいにまささんが降りてきた。前日に、見送りをしてくれるって言ってくれてたんだけど、本当に起きてきてくれた。優し過ぎる!!
そして、まささんも、サマータイムのこと知らなかったけど、iPhoneが勝手に修正してくれていたらしい。iPhone羨ましい・・・。
で、まささんとお喋りしたり、ぼーっとしたりして4時前にバス停へと向かった。
まささんは、今後のアフリカ縦断のルートも期間も似てるからまたどこかで会えそう!
お先にスーダン行ってきます!!
バス乗り場に行くと既にバスは停まっていた。
でも、バスには乗せて貰えずに、外で待てとのこと。
噂通り、スーダン人は大量物資を買い込んでスーダンに戻るらしい。
40インチのLEDテレビや大型オーブン、ドデカイ絨毯、その他諸々、デカイ荷物が大量にある。笑
バスの周りには、両替屋の人がいっぱい。
レートは1エジプトポンドが1.20スーダンポンド。事前の情報通り国境の方がレートが良いので、断っていると国境のレート1エジプトポンド=1.25スーダンポンドに合わせてくれた。なので、国境手前で必要になる50ポンドを残して、残りの640エジプトポンドをスーダンポンドに両替。800スーダンポンドになった。
ちなみに、スーダンにはイランのように、公定レートと闇レートがある。公定レートは銀行で用いられていたり、アプリなどで調べられるレートで、闇レートは路上のおっさんたちが両替してくれるレート。公定レートでは、640エジプトポンドは509スーダンポンドにしかならない。
なので、闇両替の方が圧倒的にお得!
5時になってやっとバスに乗車。事前にチケットのチェックとかも無かったし、これなら最初から5時に来ても良かったんじゃ・・・。
指定された席に座っていると、1人のおっさんが自分のところに来て、そこは俺の席だと言ってきた。席の番号とチケットの番号はちゃんと確認してたから、そんなわけないとチケットを見せてやって、おっさんのチケットも確認してみるとおっさんも同じ番号だった。バス会社のミス?でも、僕が先に来て席を取ってたので、おっさんに何とかして貰うことにした。
少し経つと、今度は女性2人組がそこは私たちの席だとやってきた。
なんなんだよ!
で、またチケットを見せて、先に来てるからって言ったら、私たちは2人なんだから譲りなさい!と言われて、あっさり席を譲ることになってしまった。
スーダン人の女性は気が強くて怖い。。
(と、この時は思ったんだけど、誤解を生まないように言っておくと後々ちゃんと仲良くなれました。普通にみんな優しいです。)
しょうがないので、スタッフのおっちゃんに席が重複してる旨を伝えると、新しい席を用意してくれた。
新しい席も窓側で、景色を楽しめるぞ!って思ってたけど、そこには既におばちゃんが座っていた。
おばちゃんにそこは僕の席だよ。と伝えると、いいじゃないあんたは通路側ね!って感じで、あっさり席を取られてしまった。
そして、しょうがなく通路側に座ろうとしたら、うちの旦那と一緒に座りたいから席交換してくれってなって、また席を移動する羽目になってしまった。。
結局、後ろの方の通路側で落ち着いた。窓際座りたかったな・・・。
バスの出発まで外で待たされて1時間、スーダン人の大量物資を乗せるのに1時間、乗客とスタッフで座席のことで喧嘩になり、全員で大騒ぎして30分。その他諸々あって、結局バスが出発したのは日も完全に昇りきった7時だった。
僕の2時半起きの努力は一体なんだったんだろう・・・。
あ、2時半起きは僕のミスか!笑
下の貨物室に入りきらない荷物が通路に溢れ返ってた。
終いには、通路を塞がれる。笑
席の上の荷物入れに40インチのLEDテレビが入ってるなんてなかなか見れないよね。笑
バスが出発するとさすがにすぐに寝てしまった。
そして、昼前に休憩所に到着して目を覚ました。ここで30分くらい休憩した後に、フェリー乗り場へ向かう。
バスごとフェリーでナセル湖を渡ります。
ナセル湖の風景。ここはアーミーエリアだから写真撮るのは気を付けろってスーダン人に言われた。
フェリーを降りるとすぐに国境。
この国境手前のバス内で、フェリー代なのか港の使用料なのか1人50ポンド支払わされる。ちゃんとチケットみたいなのも貰えた。
エジプト側の国境で、一旦荷物を降ろし、荷物チェック、そして再度積み込み。
荷物が多いので時間が掛かる。
バス内で、荷物の積み込みを待っていると、そういえば出国手続きはどこでするのか気になって周りのスーダン人に聞いてみると、ココでするらしい。
危なかった!!
慌てて場所を聞いて、出国手続きを済ませてバスに戻ると、まだ荷物の積み込みをしていて出発する気配はなかった。笑
そして、これがスーダン側の国境でもまた行われるので嫌になる。。
でも、途中何かのきっかけで、みんな僕が日本人だと知ると、
「ジャパン!これそっちに運んでくれ!」
「ジャパン!こっちはそこに載せてくれ!」
と、みんな僕をジャパンと呼んで、荷物の運搬を手伝わせるようになっていた。
外国人が僕しかいないから、珍しがって話し掛けてくれるみたい。笑
手伝わされてるのに何か楽しい!!笑
そして、気付いたら何かバス内のみんなと仲良くなってた。笑
スーダンのイミグレーションのスタッフは、笑顔で迎えてくれた。
しかも親切に3日以内にレジストレーションしないとダメだよって念押ししてくれた。
レジストレーションって言うのは、ビザ以外にもスーダンに滞在するために必要な手続きで、スーダン入国後にする必要があるんです。
スーダン側の国境。何にも無い。
そして、また荷物の積み荷を待って、国境を出発する頃には日も暮れて暗くなっていた。
エジプト側の国境に到着したのが3時。スーダン側の国境を出発したのが7時。結局国境だけで4時間も掛かった。。
国境からは30分でワディハルファのバスターミナルに到着。
今回買ったチケットは、アスワン⇒ハルツーム行きの通しのチケットだったけど、ワディハルファ⇒ハルツームのチケットはここで再度予約を入れなければいけないらしく、チケットオフィスへ。
もちろん、追加料金は取られずに、アスワンで最初に貰ったチケットと新しいチケットを交換して貰える。
ここで、チケットの予約を手伝ってくれたスーダン人と一緒に宿まで行くことになった。
ちなみに、名前はアミン。
到着した宿はこちら。笑
青空ベッド!!スーダン名物らしいです。笑
スーダンは、夜になると室内よりも屋外の方が涼しくなるので、ベッドを外に出して、みんなで外で寝るらしい。
1泊20スーダンポンド(約220円)也。
ちなみに、シャワーもあると言われたけど、見つけられなかった。もしかしたら瓶から水をすくって浴びるタイプかも。笑
ということで、今夜はシャワー抜き!
宿も決まったことで、とりあえず夕飯へ!
アミンが勧めてくれたスーダン料理。フール?って言って、パンに付けて食べるらしい。味は意外とイケル。ただ、喉が渇き過ぎてて、パンのパサパサがしんどかった。。なんで、出された怪しい水飲んじゃった。でも氷入ってたからすげー冷たくて旨かった。笑
食後はチャイ。アミンが教えてくれたけど、スーダンのチャイ屋は女性の仕事で、女性が作るチャイは旨いんだとか。
味はミントティー。確かに旨い。
驚いたのは夕飯もチャイも全部アミンが奢ってくれた!
僕がお金を出そうとしても、全然受取ってくれなった。
スーダンもイランやトルコ同様にウェルカム精神がハンパではないらしい。
そして、同じバスに乗っていたスーダン人達も同じ宿、もしくは近くの宿に泊まっているらしく、宿やチャイ屋さんで遭遇する度にみんな、「おー!ジャパン!お前もハルツームまで行くのか!」と声を掛けてくれる。
何だかこの感じ、凄く楽しい!!
スーダン人は、なんだか良い人が多いみたいです!
明日は、スーダンの首都ハルツームまで移動です!
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