アフリカ旅の大敵!マラリア
アフリカを旅する時に気を付けたい病気の1つがマラリア。
マラリアは、感染後の対応を間違えると、死の危険性もある恐ろしい病気です。
2013年には約58万4,000人がマラリアで亡くなっていて、そのうちのほとんどがアフリカの子どもたちだそうです。
そんな、アフリカの旅と切っても切れない関係のマラリアについて、僕も、アフリカを旅する前に色々と調べたので、自分が行った対策と合わせてまとめておきたいと思います。
但し、今回の記事の内容については(も)、僕の調べた限りの知識で書いています。実際に正しいとは限りませんので、あくまで参考程度にしてください。必ずご自身で医療機関に相談するなり、判断は自己責任でお願いします。
マラリアについて
マラリアの汚染地域
※WHOのホームページより。
アフリカでの感染が目立ちますが、アジアや南米も汚染地域に含まれます。
マラリアの感染経路
病原体となる「ハマダラ原虫」を媒介する「ハマダラカ属」の蚊だけが感染経路となります。なので、ハマダラカの蚊にさえ刺されなければ、マラリアを発症することはありません。
マラリアの種類
マラリアの種類には、以下の4種類があります。
- 熱帯熱マラリア(Plasmodium falciparum)
- 三日熱マラリア(Plasmodium vivax)
- 四日熱マラリア(Plasmodium malariae)
- 卵型マラリア(Plasmodium ovale)
このうち、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療を開始しないと重症化し、しばしば死に至ります。そのため、悪性マラリアとも呼ばれているそうです。
マラリアの症状
潜伏期間は1週間から1ヶ月くらい。
初期症状は、40℃以上の高熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛が見られます。
そして、マラリアの特徴として発熱周期があります。
三日熱マラリアと卵型マラリアが48時間、四日熱マラリアが72時間の周期で発熱。
悪性の熱帯熱マラリアに限っては発熱周期は一定ではありません。
なので、熱が下がったからと言ってマラリアが治ったわけでは無いので注意が必要です。
また、熱帯熱マラリアに関しては、黒水熱(キニーネという薬で治療中に尿が黒くなる)、黄疸、腎不全、凝固異常、錯乱、こん睡と言った経過をとって死亡することがあるそうです。
アフリカを旅していて、40℃以上の高熱が出た場合は、まずマラリアの感染を疑って行動した方が良いかもしれません。
マラリアの予防薬
マラリアを予防するために、予め定期的に服用するための薬が予防薬です。
主に利用されているものは以下の通り。
マラロン
この薬に耐性のあるマラリアが少なく、他の予防薬に比べて副作用も少ないことから、世界でも多く利用されている抗マラリア薬です。
しかし、価格が高いということで僕の選択肢からは却下されました。
【服用回数】1日1錠
【服用期間】マラリア汚染地域に入る2日前から、汚染地域を出て1週間後まで服用。
メフロキン
日本で唯一認可を受けているマラリア予防薬及び治療薬だそうです。
服用が週に1回と言うことで、手間が掛からないのがメリット。
副作用として、精神神経症状(鬱状態、不眠、頭痛、倦怠感等)があります。
また、不整脈のある方は使用禁忌。タイ・カンボジア・ミャンマーでは、メフロキン耐性マラリアが存在するため使用できませんん。
僕は、このメフロキンか後述するドキソサイクリンで迷いましたが、1人旅だったのでうつ病になるのは怖いなーと思って、ドキソサイクリンを選びました。
他の旅人から聞いた話でも、実際に鬱状態になってしまって、鬱状態のまま旅を続けるか、服用を中断してマラリアのリスクを取るかの選択を迫られてしまった方がいるそうです。
【服用回数】1週間に1錠
【服用期間】マラリア汚染地域に入る1週間前から、汚染地域を出て4週間後まで服用。
ドキソサイクリン
マラリア予防薬と言うよりも、抗生物質としての利用が主です。
副作用として光線過敏症(日焼けしやすくなる)を起こすことが多く、酷い場合には水ぶくれが出来たりする場合もあるため、直射日光をなるべく避けた方が良いそうです。
メフロキンと悩んでこちらのドキソサイクリンを服用していました。
僕の場合、服用中に半袖で生活して、直射日光もガンガン受けていましたが、腕の薄皮がほんの少しだけ剥けるくらいでした。
ただ、今思えば後々、肌にシミとか出来やすくなるのかなーと少々後悔しています。
【服用回数】1日1錠
【服用期間】マラリア汚染地域に入る1週間前から、汚染地域を出て4週間後まで服用。
写真はエチオピアのアディスアベバで購入したドキソサイクリンです。
色んな会社が出していて、値段もパッケージもマチマチでした。
マラリアの治療薬
次にマラリアの治療薬についてです。
その名の通り、マラリアを発症してから個人で治療を開始するための薬です。
アフリカでは、地方でマラリアを発症した場合、すぐに設備の整った医療機関で治療を受けられない可能性があるので、念のため用意しておいた方が良いと思います。
コアルテム
写真下がコアルテム。
WHOでもトップに推奨されていると言う治療薬です。
メフロキンを治療薬として利用する方法もありますが、僕の中ではこれ以外に選択肢はありませんでした。
【服用方法】マラリア発症24時間以内に4錠、8時間後に4錠、2日目、3日目に1日2回4錠ずつ服用。
蚊に刺されないための対策
蚊除けスプレー
マラリア汚染地域に入る前のエジプト・アスワンで蚊除けのスプレーを購入しておきました。
写真を撮り忘れていましたが、オレンジ色っぽいものだったと思います・・・。
少し大き目のモノで35ポンド(約535円)。
結構高かったけど、よく効きました。
蚊帳
マラリア汚染地域の宿には、ほとんど蚊帳が付いていました。
僕の記憶の中では、蚊帳の付いてない宿は無かった気がします。
なので、わざわざ日本から持って行ったり、現地で購入したりする必要は無いと思います。
ただ、穴が開いていることも少なくないので、穴を塞ぐためにガムテープとかがあると便利かもしれません。
蚊取り線香
マラウィで購入。ほとんど効かず・・・。
テントの中に蚊が侵入してきたので、テント内でモクモクになるまで焚いたら、蚊よりも先に僕がギブアップしました。笑
マラウィのンカタベイで購入して、1箱250クワチャ(約62円)でした。
ちなみに、日本のものは効くと言う話を聞きます。
あと、1プッシュで蚊がいなくなるスプレーとかもあったら便利かもしれません。
万が一、マラリアを発症してしまったら・・・。
万が一、マラリア発症の疑いがあれば、速やかに病院へ向かうべきです。
近くに設備の整った病院が無い場合には、治療薬を服用しつつ、近くの大きな街に向かうのがベストかなと思います。
僕は、地方の街に居る時には、万が一に備えて、今居る街できちんとした治療が受けられるのか、大きな街に行くまでにはどのように移動するのが早いのか、どのくらい時間が掛かるのかと言うのをいつも頭に入れていました。
また、地方の病院で治療を受けることになった場合、注射針を使い回されたりする場合があるそうなので、新品の注射針を用意しておいた方が良いと言う話も聞きました。
蚊の発生状況
最後に僕が旅した時(2014年9月~11月)の蚊の発生状況をまとめておきます。
【スーダン】
暑過ぎるせいか全く居ませんでした。屋外で寝ても刺されませんでした。
【エチオピア】
首都のアディスアベバは高地なうえに、寒かったのでほとんど居ませんでした。居ても動きが凄く遅い。南部もあまり見なかったと思います。
【ケニア・ウガンダ・ルワンダ・タンザニア】
この辺から少しずつ出てきます。でも気になるほどでは無かった印象。
【マラウィ・モザンビーク】
大量発生。ホントに多かったです。蚊帳も穴が開いているので刺されまくり。しかし、予防薬を飲んでいたためか幸いにもマラリアは発症せず。
最後に
以上が、僕の調べたものと体験を交えたマラリアのまとめです。
アフリカでは2ヶ月旅をして幸いにもマラリアを発症することはありませんでした。
周りの友達も対策をしっかりしていたためか発症した話は聞いていません。
マラリアの最大の対策は、まず蚊に刺されないことです。
蚊除けスプレーを利用したり、服装に気を付ける事が一番だと思います。
また、1週間以内の滞在の場合は、予防薬・治療薬は買わなくていいと言う話です。
発症する頃には日本ですから、日本の専門の医療機関できちんと治療して貰えますからね。
但し、日本の病院でも、町医者では風邪等と判断される場合があるようなので、必ず予め専門の医療機関を調べて、そちらで受診された方が良いようです。
最後にもう1度言いますが、マラリア対策のご判断は自己責任でお願いします。
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