海外旅行、特に世界一周のような長期の旅行に出る場合に気を付けたいのが、現地で掛かる風土病や感染症。
軽いもので済めば良いのですが、中には死に至るような危険な病気もあるので事前に知識を付けといて損はない。
今回は、自分で調べた海外旅行時に気を付けたい病気・感染症の症状と主な予防法を備忘録も兼ねてまとめておきます。
選んだ病気・感染症の11種類は、僕が個人的に判断して選びました。
他にも何かあれば、随時アップデートしていきます。
※あくまで僕が調べた限りの情報です。何かあった場合の責任は取れませんので、参考程度にしてください。
A型肝炎
【主な症状】
2〜7週間の潜伏期間の後に、発熱・全身のだるさ・食欲不振・吐き気・嘔吐の症状が見られ、数日後に黄疸が現れる。
【感染経路】
ウィルスの含まれた排泄物が人の手を介して、飲食物を経て口に入ることで感染。性交渉で感染することもある。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来る。また、なるべく加熱処理された飲食物を摂取する。
【危険のある地域】
世界中で見られるが、衛生状態が悪く飲用水の管理が悪い地域でリスクが高くなる。
B型肝炎
【主な症状】
90〜150日の潜伏期間の後に、倦怠感・食欲不振・吐き気・嘔吐・腹痛・黄疸の症状が現れる。皮膚発疹や関節の痛みが現れる場合もある。大人の死亡率は1%ほどで、一部で慢性化して肝硬変や癌化する場合もある。
【感染経路】
感染者との性行為や汚染された医療器具の使用により感染。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来る。また、不特定多数との性交渉を避ける。途上国では、医療器具が汚染されている場合があるので、安心出来る医療期間を確認する。
【危険のある地域】
世界中
破傷風
【主な症状】
3日〜3週間の潜伏期間の後に、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状が現れる。その後、痺れや痛みが体全体に広がり、全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れたのちに死亡する。
【感染経路】
怪我をした時に傷口から破傷風菌が入ることにより感染。破傷風菌は世界中の土の中に存在し、特に動物の糞便で汚染された土壌が危険。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来、これが最も有効な予防法。
【危険のある地域】
世界中
狂犬病
【主な症状】
ウィルスが直接中枢神経を侵す場合、10日ほどの潜伏期間の後、発熱・頭痛・全身倦怠感・嘔吐などの症状が現れる。一方、末梢の神経線維に感染した場合には、発症までに数年の年月が掛かる。発症後は、ものを飲みづらくなったり、液体を飲もうとすると筋肉が痙攣するため、水を恐れるようになる。その後、昏睡状態となり、呼吸が麻痺し死亡する。
【感染経路】
ウィルスは感染動物の唾液に含まれため、哺乳動物に噛まれたり、傷口、目や口の粘膜を舐められたりすることで感染する。動物は前足を舐めるので、唾液(ウィルス)の付着した爪で引っ掻かれても感染する可能性がある。
【予防法】
事前に予防接種も受けることが出来るが、動物にむやみに手を出さないことが一番現実的な予防法。
【危険のある地域】
アフリカ、アジア、中南米のほとんどの地域で流行。
狂犬病については、発症した場合100%死亡するという恐ろしい病気なので、下記のサイトをよく読んでおくことをオススメする。
日本脳炎
【主な症状】
多くの人は症状が出ず、100人〜1,000人に1人の割合で発病する。6〜16日の潜伏期間の後、高熱・頭痛・吐き気・嘔吐が見られる。その後、意識障害・痙攣・異常行動・筋肉の硬直などが現れる。重症患者のうち50%が死亡、生存者の30〜50%に精神障害や運動障害などの後遺症が残ると言われている。
【感染経路】
ウィルスを媒介するコガタアカイエカ(コガタイエカ)という蚊に刺されて感染する。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来る。また、蚊に刺されないように注意する。
【危険のある地域】
日本、韓国、中国、ベトナム、タイ、カンボジア、マレーシア、ラオス、ミャンマー、フィリピン、インドネシア、ネパール、バングラデシュ、インド、スリランカ、パプアニューギニア、台湾、ブルネイ、パキスタン、シンガポール、米領グアム、米領サイパン、オーストラリア(クイーンズランド州北部)、ロシア(極東部)
コレラ
【主な症状】
数時間〜5日間の潜伏期間の後、軽度の下痢・嘔吐が見られる。重症の場合、「コメのとぎ汁のような水様性便」が大量に(1日10リットル~数十リットル)排泄され、ただちに治療を行わないと死亡する可能性がある。
【感染経路】
コレラ菌に感染した飲食物を摂取することにより感染。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来る。また、生水・氷・生の魚介類の飲食を避ける。
【危険のある地域】
アフリカ、アジア、中南米の一部の地域で流行
腸チフス・パラチフス
【主な症状】
腸チフスとパラチフスの症状はほぼ同じだが、一般に、腸チフスに比べてパラチフスの症状の方が軽症。1~3週間の潜伏期間の後、高熱、頭痛、全身のだるさ、高熱時に数時間現れる胸や背中、腹の淡いピンク色の発疹、便秘などの症状が現れる。熱が高い割に脈が遅いのが特徴的。重大な症状としては、腸から出血したり、腸に穴が開いたりすることがある。
【感染経路】
感染した人の便や尿に汚染された水・氷・食べものを摂ることによって感染。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来る。また、飲食物に注意し、十分に加熱されたものを摂取するようにする。
【危険のある地域】
腸チフス、パラチフスは世界中でみられる感染症だが、特に南アジアでは他の地域の6から30倍高いリスクがある。他に、東南アジア、アフリカ、カリブ海、中央および南アメリカが危険のある地域。
ポリオ
【主な症状】
感染しても90%から95%の人は症状が現れずに、知らない間に免疫が出来る。しかし、感染してから3〜35日の潜伏期間の後に、発熱、頭痛、のどの痛み、吐き気、嘔吐などのかぜに似た症状が現れることがある。さらに、腸管に入ったウイルスが脊髄の一部に入り込み、主に手や足に弛緩性麻痺(だらんとした麻痺)が現れ、その麻痺が一生残ってしまうことや、呼吸困難で死亡することも。
【感染経路】
ポリオウィルスが人の口の中に入り、腸の中で増えることで感染。また、増えたポリオウィルスは便と一緒に排泄され、この便を介して他の人にも感染する。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来る。また、食事の前に手洗いを十分して、口からの感染を防ぐ。
【危険のある地域】
ポリオの流行が続いている国(流行国)は、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3か国だが、すが、その周辺の国でも、海外からの輸入患者の発生が報告されている。
現在、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタン、赤道ギニア、エチオピア、イラク、イスラエル、ソマリア、カメルーン、シリアの10か国からポリオの発生が報告されている。
マラリア
マラリアについては、下記記事にまとめています。
黄熱病
【主な症状】
3~6日の潜伏期間の後、発熱・頭痛・筋肉痛・嘔吐の症状が現れる。一部はそのまま回復するが、重症化するといくつもの臓器からの出血や黄疸をおこす。致死率の高い病気。
【感染経路】
蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることで感染。
【予防法】
事前に予防接種を受けることが出来、一部では予防接種を受けた証明書(イエローカード)が無いと入国出来ない国もある。
【危険のある地域】
<アフリカ地域>
アンゴラ、ウガンダ、エチオピア、カメルーン、ガーナ、ガボン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、シエラレオネ、スーダン、セネガル、赤道ギニア、中央アフリカ、チャド、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、ブルンジ、ベナン、マリ、南スーダン、リベリア、モーリタニア
<アメリカ地域>
アルゼンチン、エクアドル、ガイアナ、コロンビア、スリナム、パナマ、フランス領ギアナ、ブラジル、ペルー、ベネズエラ、ボリビア、トリニダード・トバゴ(トリニダード島のみ)、パラグアイ
ジカ熱(ジカウィルス感染症)
【主な症状】
デング熱などの症状と類似しており、発熱、発疹、結膜炎、筋肉痛、関節痛、倦怠感、頭痛などの症状が現れる。通常、これらの症状は軽く、2〜7日続いて治まる。潜伏期間は明らかになっていない。
また、感染症状自体は軽度だが、ジカウイルス感染症の後にギラン・バレー症候群の発症や、ジカウイルスの流行地域で小頭症の新生児が増加していることが報告されている。
【感染経路】
主にヤブカ属のネッタイシマカやヒトスジシマカのうちウイルスを保有した蚊に刺されることで感染する。
【予防法】
蚊に刺されないための対策を取る。
【危険のある地域】
2007年および2013年に太平洋(それぞれヤップ島とフランス領ポリネシア)で初めて報告され、2015年にアメリカ大陸(ブラジルとコロンビア)、アフリカ(カーボベルデ)でも報告された。また、アメリカ大陸では13を超える国がジカウイルスの急激な地理的拡大を示す散発的なジカウイルスの感染を報告している。
予防接種について
西周りで世界一周する場合
西周りで世界一周をする場合には、海外で受けるのが日本よりも安くてオススメ。
東周りで世界一周する場合
東周りの場合は、事前に日本で受けていくことになると思います。
他の予防接種は、東京の場合、三軒茶屋にあるふたばクリニックが安いらしい。
短期旅行の場合
短期旅行の場合は、発症する頃にはもう日本に帰国している場合が多いと思うので、予防接種をするほどのことは無いかなと思います。
日本ならきちんとした治療も受けられるしね。
ただし、これも自己責任で判断してください。
コメントする